医師は単に専門分野の疾患を治療するのみでなく、患者・家族の抱える様々の身体的・心理的・社会的問題も的確に認識、判断し、医療チームの中で治療、看護、介護サービス等種々の方策を総合的に組織・管理し、問題解決を図る能力を備えることが必要となってきている。本プログラムはこのような患者を全人的に診る能力、とりわけ医師にとって必須の初期診療を含む基本的診療の知識・技能を修得するとともに、各科全般を広く理解判断する能力と、医師としての正しい態度を養成し、さらに将来、地域医療を担う指導的な医療人となるための必要な資質を有する医師を育成することを目指している。
1年目は基本的な医師としての臨床の知識と技能を習得し、救命・救急を含むプライマリ・ケアが遂行できる幅広い基礎的知識と基本的臨床能力を身につけるために、内科、救急を中心にローテイトします。2年目は主に専攻を希望する診療科において研修指導責任者のもと高度の知識と技術を習得します。内科系、外科系いずれのコースを選択しても心筋梗塞をはじめとした心・循環器系、脳卒中をはじめとした中枢神経系の救急疾患、および骨折などの整形外科的救急傷病に対するプライマリ・ケアが修得できます。
1年次は、内科6ヶ月(循環器科2ヶ月・消化器科2ヶ月・呼吸器科2ヶ月)、外科3ヶ月、救急(麻酔科)3ヶ月の研修で、2年次は、小児科、精神科、地域医療を必修として各1ヶ月間研修し、残りの9ヶ月間は研修医が希望する診療科を研修する。