社会医療法人 ペガサス 馬場記念病院

診療科・部署紹介

化学療法センター

化学療法センターについて

近年の化学療法の進歩は目覚ましいものがあり、特に大腸癌ではこの10年程度で大きく進歩しました。多数の抗がん剤が開発され、治療成績が改善されただけでなく、治療の選択肢も増えてきました。その一方で、投与方法は複雑化し、副作用も様々なものがみられるようになり、その管理と治療が重要視されるようになってきました。
当院では、食道癌、胃癌、大腸癌、膵癌、肝癌などの消化器癌を対象とし、最新の知見に基づいた化学療法を行っています。また、クローン病や潰瘍性大腸炎に対する化学療法も行っています。保健適応となっている薬剤はすべて使用可能です。術後補助化学療法(根治手術はできたが、再発の危険性が比較的高いと判断された患者様に対する、再発予防を目的とした化学療法)や、切除不能高度進行・再発癌に対する治療を効果的に行いかつ、患者様の生活の質をできるだけ損なわないように努めています。当院で手術を受けられた患者様はもとより、他院で手術を受けられた患者様の相談や治療もお受けしております。
現在の化学療法は、一部の治療法を除いて、患者様のQOL(生活の質)を維持するという観点から、原則として外来で行えるように工夫されています。ただ、患者さんによっては、様々な理由から外来治療が適さない場合もありますため、入院治療を組み合わせることもあります。
このように、現在の化学療法を行うためには、医師をはじめ看護師、薬剤師などの化学療法に携わるスタッフには、高度の知識と管理技術が要求されます。当院では化学療法センターを設置しており、消化器癌の専門医が治療を担当し、がん化学療法看護認定看護師を配置することにより安全に治療を行っています。




抗がん剤服薬情報提供書(トレーシングレポート)について


当院では医薬品適正使用推進や医療安全の観点から、抗がん剤服薬情報提供書(トレーシングレポート)を運用しています。 保険薬局にて即時性は低いものの「処方医師への情報提供が望ましい」と判断された内容については、下記様式(PDF)をダウンロードしていただき、事項をご記入いただいた後、FAXにて薬剤部までご送信ください。
(薬剤部 FAX 072-265-9432)



大腸癌に対する mFOLFOX 6 + Bevacizumab 療法

当院での化学療法の治療の流れについて、大腸癌に対するmFOLFOX6+Bevacizumab 療法を例にとってご説明します。

まずは、mFOLFOX6 + Bevacizumab 療法について簡単にご説明しますと、mFOLFOX6というのは、化学療法のあだ名のようなもので、使用される薬剤の名前の一部をとってきて、言いやすいように組み合わせたものです。葉酸 (FOLate) 、5-FU (Fuluorouracil) 、オキサリプラチン (OXaliplatin)、というわけです。頭の"m"はmodifiedのmで、少しアレンジしたという感じです。投与方法や薬の量が異なるいくつかの方法があり、そのうち6番目ということで、最後に6がついています。日本では主にこの方法が用いられています。
Bevacizumab(商品名はアバスチンといいます)というのは、比較的最近になって発売となった薬で、分子標的治療薬に分類されるものです。腫瘍の栄養血管に対して作用し、腫瘍の血のめぐりを悪くするというイメージです。

実際の投与では、副作用を予防するための薬もいっしょに投与するため、とてもたくさんの薬を点滴することになります。投与時間は病院での点滴時間が4~5時間、自宅での点滴(埋め込み型のカテーテルから特殊なポンプを用いて持続的に薬を注入します)が、約46時間と大変長い時間、点滴することになります。これを、2週間ごとに繰り返します。たくさんの種類の薬を調剤しなくてはならないため、万が一にも調剤ミスが起きないように、医師、薬剤師、看護師の3重のチェックを行います。これに、電子カルテの自動チェックシステムを加えて厳重なチェックを実施しています。

実際の化学療法の流れをご説明します。化学療法の前日または、当日の朝、副作用の確認のため採血をします。採血結果が出た時点で、担当医による問診を行います。この時点で、投与の可否を最終決定します。指示が薬剤部に送られ、薬剤師が特殊な隔離された部屋で無菌調剤を行います。その後、調剤された薬が化学療法センターに届き、専任看護師の常駐のもと、化学療法が開始されます。
当院の化学療法センターは、計7ブースが用意されています。リクライニングシートまたはベッドで点滴を受けることができ、テレビもご用意しております。

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