社会医療法人 ペガサス 馬場記念病院

診療科・部署紹介

当院で行っている心理療法の技法

当院では、患者様(来談者)と相談しながら、いくつかの技法を用いて、心理療法を進めていきます。当院で行っている心理療法の技法のいくつかをご紹介します。

認知行動療法

人は、何かの出来事に際して、落ちこんだり、不安になったりしたとき、その気分を立て直すために、考え方を切り替えたり、行動を変えたりということを無意識に行っています。しかし、精神的な健康を失っている状態では、それが1人ではうまくできずに、悪循環に陥ってしまっていることがあります。
認知行動療法(CBT;Cognitive Behavioral Therapy)は、来談者自身が、嫌な気分につながりやすい自身のネガティブな考え方(認知)や行動パターンに気づき、バランスのとれた柔軟な考えや行動ができるようになるよう、さまざまな心理学的手法を用いて援助する技法です。

EMDR

ショックを受けるような出来事(自然災害、いじめ、事故、性暴力、虐待、死別など) に遭遇すると、その出来事を繰り返し思い出したり、悪夢を見たり、集中力が落ちたり、ビクビクしたり、眠れなくなったりするなど、トラウマ反応と呼ばれる様々な反応が出現することがあります。これは、こころが衝撃を受けた後のごく自然な反応で、時間の経過とともに徐々に落ち着きます。しかし、時間が経ってもいつまでもおさまらず、日常生活に支障が出ている場合は、心的外傷後ストレス障害(PTSD;Post Traumatic Stress Disorder)の可能性があります。EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)は、このPTSDに対して大変効果的と言われている心理療法です。心の傷となった体験を思い浮かべてもらいながら、カウンセラーが動かす指を目で追いかけてもらうといった手続きを行います。それにより脳が本来もっている情報処理機能を活性化し、辛い出来事を過去のものとして心のどこかに落ち着かせていきます。PTSD以外でも、過去の辛い記憶によって起きている症状に対しては有効なことがあります。

精神分析的心理療法

精神分析的心理療法では、より深い心の理解をとおして、心が変化したり成熟したりすることを目標としています。カウンセラーとの関係のなかで、自由に自分自身のことについて話していき、心の奥深くを見つめていきます。対話のなかで普段意識していることだけでなく、意識していなかった欲求や葛藤などへの気づきが生まれることもあります。また夢は、心の内面で起こっていることを知る重要な手がかりとなることがあるため、カウンセラーとともに夢の意味を検討することもあります。このような「こころの作業」を通じて、自分のこころを深く理解し、症状や悩みとうまくつきあったり、乗り越えていくときの手がかりを得られるようになっていきます。

イメージ療法

自分の中から湧いてくるイメージは、言葉以上に自分自身にとって大切なことを物語っていたり、自分自身のありのままの心理状態や日常では意識されていない様々なことを表していると言われています。このようなイメージやイメージをしている時の体験などを用いて行う心理療法がイメージ療法です。
イメージ療法では、リラックスした状態で、自分が望む状況の具体的なイメージ又は一見すると無意味にしか思えないイメージを頭の中に思い浮かべ、そのイメージを表現し味わうことやイメージの意味をカウンセラーと共に考えることなどを通して心の問題解決を図っていきます。

解決構築 (解決志向) アプローチ

解決構築アプローチとは、1980年代にアメリカで生まれた対人援助のためのアプローチであり、短期療法の一派に分類され、日本では解決志向アプローチ (SFA;Solution Focused Approach) とも呼ばれています。
何か問題が生じたときに、問題を解決しようとするのが通常の姿ですが、解決構築アプローチでは、問題や原因を追究するのではなく、問題が解決された状態やすでにうまくいっている部分 (成功している部分) に焦点を当てます。そのようにして解決を共に見出し、望む未来に向かって積み重ねていきます。

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